MENU
  • HOME
  • About
  • Service
  • Blog
  • 考え方と動かし方
  • Contact
Will&Nexus
Keisuke Ishino
  • HOME
  • About
  • Service
  • Blog
  • 考え方と動かし方
  • Contact
Will&Nexus
  • HOME
  • About
  • Service
  • Blog
  • 考え方と動かし方
  • Contact

【Will&Nexus 38/49】意志の力が要る時点で、設計ミスだ。

2026 2/19
Will&Nexus
2026-02-182026-02-19
Keisuke Ishino
目次

朝のルーティンが壊れた日

ある時期、僕には朝のルーティンがあった。

6時に起きて、コーヒーを淹れて、30分だけ自分の頭を整理する時間を取る。何を考えてもいい。仕事のことでも、人生のことでも、昨日見たVTuberの配信のことでも。とにかく、「誰のためでもない自分だけの30分」を一日の最初に置いていた。

これが、僕にとってのメンテナンスだった。

でも、ある案件が忙しくなったとき、この30分を「犠牲」にした。朝起きた瞬間からメールを開き、移動中にチャットを返し、30分の余白はゼロになった。

最初の数日は問題なかった。でも、2週間ほど経った頃、自分の判断の質が落ちていることに気づいた。部下の相談に対して、いつもなら「構造のどこにバグがあるか」を考えるのに、「それくらい自分で考えてほしい」と思ってしまっている。会議でも、本来なら一歩引いて全体を見るべき場面で、目の前の議題に反射的に反応している。

設計者としてのOSが、メンテナンスされていなかった。

あの30分は、贅沢な時間ではなかった。自分というシステムの冷却装置だったのだ。冷却装置を外したまま走り続ければ、オーバーヒートするのは当然だ。


第4部の振り返り

ここまで第4部では、「個人のハック」を扱ってきた。

自分をシステムとして見る[※1]。Willの真贋を見極める[※2]。認知のフィルターを点検する[※3]。定数と変数を峻別する[※4]。古い「べき」を降ろす[※5]。ホメオスタシスを味方につける[※6]。苦手はバイパスする[※7]。覚悟で質量を上げる[※8]。

たくさんの道具を紹介した。

でも、これらの道具を「一回使って終わり」にしたら、意味がない。

ジムに一回行っても筋肉はつかない。歯を一回磨いても虫歯は防げない。大事なのは、日常のリズムの中に組み込むことだ。

この記事では、そのリズムの話をしたい。


「意志の力」が要る時点で、設計ミス

記事35[※6]で、ホメオスタシスの話を書いた[※6]。

「頑張る」が必要なのは、基準点が移動するまでの移行期だけだ。 基準点が移動したら、あとはホメオスタシスが勝手に維持してくれる。歯を磨くのに意志の力が要らないのと同じだ。

セルフマネジメントも同じ構造だ。

「自分を振り返らなきゃ」「メンテナンスしなきゃ」と意志の力で自分を駆り立てている時点で、それはまだ「仕組み」になっていない。

意志の力が要る時点で、設計ミスだ。

目指すべきは、自分のメンテナンスが「やらないと気持ち悪い」レベルまで日常に溶け込んでいる状態。歯磨きと同じように、やることが当たり前になっている状態だ。


感情を「データ」として実況中継する

では、具体的に何をすればいいか。

僕が最も有効だと思っているのは、感情をデータとして扱う習慣だ。

「今日、ちょっとイライラした」。

この感情を、二つの受け取り方ができる。

一つは、「自分はまだまだ未熟だ」と自分を責める。もう一つは、「このイライラは、何のバグ報告だろう?」とデータとして観察する。

後者が、設計者のメタ認知だ。

イライラした。それは事実だ。でも、なぜイライラしたのか。何がトリガーだったのか。自分のどの「べき」が刺激されたのか。

「部下が同じミスを繰り返した」→ イライラ。これを分解する。

本当にイライラしているのは、部下のミスそのものか? それとも、「自分がちゃんと教えたのに」という期待が裏切られたことか? あるいは、「また自分が巻き取らなきゃいけない」という構造への疲弊か?

こうやって分解していくと、イライラの奥にある構造のバグが見えてくる。引き継ぎの仕組みが不十分なのかもしれない。教え方を変える必要があるのかもしれない。そもそもその仕事は部下に向いていないのかもしれない[※7]。

感情は、自分というシステムからのバグ報告だ[※9]。バグ報告に怒る必要はない。原因を特定して、構造を直せばいい。


しんどさは「センターピンがズレている」というギフト

もう少し踏み込もう。

日常の中で、ふと「しんどいな」と感じる瞬間がある。

それは、ぼんやりした不調だ。明確な原因があるわけではない。でも、なんとなく重い。なんとなく楽しくない。なんとなくエネルギーが出ない。

多くの人は、この「なんとなく」をやり過ごす。忙しいから。考えても仕方ないから。みんな同じだから。

でも、設計者はこの「なんとなく」を見逃さない。

しんどさは、センターピンがズレているという自分からのギフトだ。

記事20[※10]でセンターピンの話を書いた[※10]。組織の中で最もインパクトのある一点を見つける、と。

自分自身にも、センターピンがある。

今、自分のエネルギーを一番奪っているものは何か。それは仕事の内容か。人間関係か。睡眠不足か。Willに沿っていない時間の使い方か。

「なんとなくしんどい」を分解していくと、たいてい一つか二つの「ズレ」に行き着く。そのズレがセンターピンだ。そこを直すだけで、エネルギーが戻ってくる。

しんどさを無視するのではなく、贈り物として受け取る。 それが、自分というシステムをメンテナンスするということだ。


軽量なリチュアル

ここまで読んで、「感情を分析して、センターピンを見つけて……それって大変じゃないですか?」と思ったかもしれない。

安心してほしい。毎日1時間のセルフコーチングをやれ、という話ではない。

大事なのは、軽量であることだ。

僕自身がやっていることは、本当にシンプルだ。

朝の30分。これは先ほど書いた通り。コーヒーを飲みながら、今の自分の状態を「ぼんやり」眺める。何かが引っかかっていたら、それを言語化してみる。引っかかっていなければ、そのまま好きなことを考える。

一日の終わりの「バグ報告」。寝る前に、今日一日を振り返って、「自分のシステムがバグを出した瞬間」がなかったか、さっと確認する。イライラした場面。モヤッとした場面。逆に、妙にエネルギーが出た場面。それを頭の中でメモするだけでいい。

これだけだ。ノートに書いてもいいし、書かなくてもいい。形式にこだわるのは、手段が目的化する罠に陥る[※11]。

大事なのは、完璧にやることではなく、途切れても戻れることだ。

忙しい時期に朝の30分が消えることもある。バグ報告を忘れて寝落ちする日もある。それでいい。数日後に「あ、最近やっていなかった」と気づいて、また戻ればいい。

設計者のリズムとは、完璧な規律ではなく、ズレたら戻る「復元力」のことだ。


「自分を監視する」のではなく「自分を愛でる」

一つ、大事な注意がある。

セルフマネジメントの話をすると、「自分を厳しくチェックする」イメージを持つ人がいる。

管理。監視。点検。ダメ出し。

それは、このシリーズの思想と正反対だ。

記事01[※12]で「自分を大切にしていい」と書いた[※12]。記事02[※9]で「自分を責めるのではなく、デバッグする」と書いた。

セルフマネジメントも同じだ。

自分というシステムを、ダメ出しするのではなく、愛でる。

「今日、自分はこういう状態だったんだな」と、冷たくジャッジするのではなく、温かく観察する。「しんどかったけど、ここまで走ってきたな」と、労うような目で見る。

自分に厳しい人ほど、セルフマネジメントを「自己監視」に変えてしまいがちだ。でも、それは記事30[※1]で書いた「ダメな自分を直す」という古いOSの延長線上にある。

設計者のセルフマネジメントとは、自分というシステムを愛でながら、日々微調整することだ。


仕事と人生の「境界線」は幻想かもしれない

最後に、一つだけ。

ここまで第4部では、「個人」のハックを扱ってきた。第3部では「組織」のハックを扱った。

でも、こうやって自分のメンテナンスを日常に組み込んでいくと、ある感覚が生まれてくる。

「仕事の自分」と「プライベートの自分」を分けること自体が、不自然なのではないか。

仕事でイライラしたことが、家に帰っても消えない。プライベートの充実が、仕事のパフォーマンスを上げる。朝の30分のメンテナンスは、仕事のためでもあるし、自分の人生のためでもある。

自分というシステムは一つしかない。そのシステムの上で、仕事も、家庭も、趣味も、人間関係も動いている。

仕事と人生を分けて考えること自体が、実は構造上の思い込みかもしれない。

次の第5部では、この境界線を溶かす話に入る。個人と組織を分けるのではなく、一つの「全体系」として統合する。エゴの壁を構造で溶かし、WillとNexusが摩擦なく流れる状態を設計する。

でも、その前に。

今日の帰り道に、一つだけ自分に聞いてみてほしい。

「今、自分のシステムは、どんな状態だろう?」

答えがすぐに浮かぶなら、あなたのメタ認知は動いている。浮かばないなら、それ自体がバグ報告だ。自分の状態を感知するセンサーが、ちょっと埃をかぶっているかもしれない。

大丈夫。埃を払うだけでいい。壊れてはいない。

自分を愛でながら、淡々と、微調整し続ける。 それが、設計者のセルフマネジメントだ。


関連記事

  • [※1] 【Will&Nexus 30/49】性格は「ハード」だ。変えるのは「ソフト」でいい。
  • [※2] 【Will&Nexus 31/49】大学院を留年した日、僕は初めてゴールを見つけた。
  • [※3] 【Will&Nexus 32/49】あなたの脳は、見たいものしか見ていない。
  • [※4] 【Will&Nexus 33/49】その怒り、「定数」に向かっていませんか。
  • [※5] 【Will&Nexus 34/49】あなたが重いのは、見えない「〜すべき」を背負っているからだ。
  • [※6] 【Will&Nexus 35/49】三日坊主は、意志が弱いからじゃない。
  • [※7] 【Will&Nexus 36/49】「もっと積極的に発言しましょう」に、ずっとダメ出しされてきた。
  • [※8] 【Will&Nexus 37/49】「鉄球」と「ピンポン球」、あなたはどちらで飛んでいるか。
  • [※9] 【Will&Nexus 02/49】「わかっているのに動けない」は、あなたのせいじゃない。
  • [※10] 【Will&Nexus 20/49】100の課題を解くな。1つだけ倒せ。
  • [※11] 【Will&Nexus 08/49】その「1on1」、何のためにやっていますか。
  • [※12] 【Will&Nexus 01/49】「自分を後回し」にしていませんか。
Will&Nexus
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • 【Will&Nexus 37/49】「鉄球」と「ピンポン球」、あなたはどちらで飛んでいるか。
  • 【Will&Nexus 39/49】組織のドロドロは、「人」のせいじゃない。

この記事を書いた人

Keisuke Ishinoのアバター Keisuke Ishino

石野 敬祐(Keisuke Ishino)
経営と人事の「かかりつけ医」/ Will&Nexus 代表

外資系コンサルからキャリアをスタートし、IT・業務改革コンサル、人事・組織コンサル、事業会社の人事責任者を経て独立。組織の問題のほとんどは領域の境界線にある——その確信から、経営・人事・業務・ITを横断しながら「センターピン(本当に倒すべき一手)」を見極める仕事をしている。

視界を失いかけた経験、長い介護の日々、自分のとらわれへの気づき——そうした経験が、見立ての精度と、誠実に関わるという姿勢をつくってきた。

趣味は一つに絞れない。歌、写真、ゲーム、麻雀、ボクササイズ……その時々の興味に引っ張られて、何がメインかは常に変わる。飽き性というより、好奇心が次の扉を先に開けてしまうタイプらしい。どんな領域でも「なぜこれはこう機能するのか」と考えてしまう癖は、仕事と地続きだと思っている。

関連記事

  • 【Will&Nexus 49/49】明日、構造を一つだけ、書き換えてみよう。
    2026-02-18
  • 【Will&Nexus 48/49】「幸せだった」と書き残した父のメモ。
    2026-02-18
  • 【Will&Nexus 46/49】「完成形」を目指す組織は、必ず老いる。
    2026-02-18
  • 【Will&Nexus 47/49】まっすぐ来たつもりはない。でも、無駄な道はなかった。
    2026-02-18
  • 【Will&Nexus 44/49】仕組みは8割で止める。残り2割が、チームを動かす。
    2026-02-18
  • 【Will&Nexus 45/49】「何でも言っていいよ」が機能しない理由。
    2026-02-18
  • 【Will&Nexus 43/49】肩書きが全部なくなった日、残ったのは何だったか。
    2026-02-18
  • 【Will&Nexus 41/49】「いなくなったら回らない」は、褒め言葉じゃない。
    2026-02-18

最近の投稿

  • 【Will&Nexus 49/49】明日、構造を一つだけ、書き換えてみよう。
  • 【Will&Nexus 48/49】「幸せだった」と書き残した父のメモ。
  • 【Will&Nexus 47/49】まっすぐ来たつもりはない。でも、無駄な道はなかった。
  • 【Will&Nexus 46/49】「完成形」を目指す組織は、必ず老いる。
  • 【Will&Nexus 45/49】「何でも言っていいよ」が機能しない理由。

最近のコメント

表示できるコメントはありません。

アーカイブ

  • 2026年2月
  • 2024年7月

カテゴリー

  • Blog
  • Will&Nexus
  1. ホーム
  2. Will&Nexus
  3. 【Will&Nexus 38/49】意志の力が要る時点で、設計ミスだ。
※ カスタマイザーの「SNS設定」が空です。
  • プライバシーポリシー

© Keisuke Ishino

  • メニュー
  • 検索
  • トップへ
目次