MENU
  • HOME
  • About
  • Service
  • Blog
  • 考え方と動かし方
  • Contact
Will&Nexus
Keisuke Ishino
  • HOME
  • About
  • Service
  • Blog
  • 考え方と動かし方
  • Contact
Will&Nexus
  • HOME
  • About
  • Service
  • Blog
  • 考え方と動かし方
  • Contact

【Will&Nexus 24/49】良かれと思った一手が、別の場所で火を吹く。

2026 2/19
Will&Nexus
2026-02-182026-02-19
Keisuke Ishino
目次

良かれと思って打った一手が、別の場所で火を吹く

組織を変えようとするとき、最もよくある失敗がある。

「施策が正しいのに、予想外の副作用が出る」というパターンだ。

たとえば、残業を減らそうとして、「20時以降は強制消灯」にする。残業時間は確かに減る。数字上は改善だ。でも、仕事の量は変わらない。結果、朝早く来る人が増えたり、家に持ち帰る人が増えたり、品質を落として帳尻を合わせる人が出てくる。

施策は正しかった。残業を減らすべきだという判断は間違っていない。でも、施策の「先」に何が起きるかを読めていなかった。

これが、因果の連鎖を見落としている状態だ。


因果の「地図」を描く

因果関係は、多くの場合一直線ではない。

AがBを引き起こし、BがCを引き起こし、CがAに戻ってくる。連鎖し、ループし、分岐する。

この連鎖の構造を、僕は「因果の地図」と呼んでいる。

地図を描かずに施策を打つのは、土地勘のない場所をカーナビなしで走るようなものだ。目の前の道は見えているが、この先にどんな交差点があって、どこで行き止まりになるかがわからない。

因果の地図を描くとは、「この施策を打ったら、一次的に何が変わるか。その変化が、二次的にどこに波及するか。波及した先で、三次的に何が起きるか」を、できる限り可視化することだ。


連鎖を読む三つのステップ

具体的なやり方を整理しよう。

ステップ①:一次効果を特定する

施策が直接的に変えるものは何か。「強制消灯」なら、一次効果は「20時以降のオフィス在席時間がゼロになる」だ。

ステップ②:二次効果を想像する

一次効果が起きたとき、それに反応して何が変わるか。「オフィスにいられないが、仕事は終わっていない。どうする?」→「家に持ち帰る」「朝早く来る」「品質を落とす」。

ここで重要なのは、人は施策に「適応」するということだ。新しい制約が与えられたとき、人はその制約の中で最適化しようとする。その適応行動を想像できるかどうかが、設計の精度を決める。

ステップ③:ループを探す

二次効果の先に、元の問題を悪化させるループはないか。「品質が落ちる」→「クレームが増える」→「クレーム対応で業務量が増える」→「さらに残業が必要になる」。これは悪循環のループだ。

三つのステップすべてを完璧に予測することは不可能だ。でも、一次効果だけで満足せず、二次・三次まで想像する習慣を持つことで、予想外の副作用は大幅に減る。


全体最適の実現方法

記事10[※1]で「部分最適が全体を壊す」と書いた[※1]。

因果の地図は、全体最適を具体的に実現するためのツールだ。

部分最適が起きるのは、「自分の範囲の一次効果」だけを見て判断しているからだ。因果の地図を描けば、自分の範囲の外に波及する二次・三次効果が見える。見えれば、事前に手を打てる。

たとえば、A部署が新しい施策を打つ前に、B部署への影響を因果の地図で確認する。影響が大きければ、B部署と事前に調整する。あるいは、B部署への副作用を緩和する別の施策を同時に打つ。

全体最適とは、すべてを同時に改善することではない。副作用を予測し、先に手当てしておくことだ。


地図を描かなかった日

僕自身、因果の連鎖に巻き込まれた経験がある。

あるプロジェクトでPMを務めていたとき、基本設計の段階で顧客に方針を何度も確認した。「ここを変えると大幅な手戻りになるので、この方針で間違いないですか」と、口を酸っぱくして確認した。その時点では、顧客からの異論はなかった。

ところが終盤になって、「やっぱり気に入らない」と方針のひっくり返しがあった。

ここで因果の連鎖が始まる。

営業と上司が顧客先に出向き、「関係性を守る」という判断で、契約範囲外の修正を無償で引き受けてきた。PMである僕はその場にいなかった。相談もなかった。決まった後で、「こうなったから対応してほしい」と降りてきた。

一言相談があれば、影響範囲を伝えられた。「ここを動かすと、これだけの工数がかかる。メンバーの負荷はこうなる。並行している案件にも影響が出る」と。でも、その機会がないまま判断が確定してしまった。

一次効果としては、顧客との関係は維持された。 組織としての判断だから、決まったこと自体は仕方がない。

でも、二次効果を誰も読んでいなかった。スコープ外の作業がチームに降りかかり、メンバーに大量の残業が発生した。体調を崩すメンバーも出た。

さらに三次効果があった。その火消しに人員を割いたことで、僕が並行して進めていた自社の改革プロジェクトがストップした。「顧客を守る」という一手が、巡り巡って自社の変革を止めてしまった。

振り返れば、僕自身にも反省がある。顧客の感情面にもっと丁寧に寄り添っていれば、終盤のひっくり返し自体を防げたかもしれない。でもそれとは別に、構造の問題があった。影響を受ける人に相談なく判断が下され、一次効果だけで意思決定がなされた。その先の波及を、誰も地図に描かなかった。

善意の判断でも、影響範囲を知る人に一言確認するだけで、結果は大きく変わる。 僕はあの経験以来、「この判断の先に、何が起きるか」を三手先まで想像する癖がついた。そして、自分が判断する側のときは、影響を受ける人に必ず声をかけるようにしている。


「風が吹けば桶屋が儲かる」を意図的に作る

因果の連鎖は、ネガティブな方向だけに働くわけではない。

ポジティブな連鎖を意図的に設計することもできる。

たとえば、マネージャーが部下の話を丁寧に聞くようになる(一次効果)。部下が安心して発言できるようになる(二次効果)。会議の質が上がる(三次効果)。アイデアが増える。成果が出る。マネージャーの評価が上がる。マネージャーがさらに部下の話を聞く余裕ができる。

これが、正の循環ループだ。

センターピン思考[※2]で最も大切なのは、打った一手がポジティブな連鎖を生むポイントを見つけることだ。因果の地図は、そのポイントを探すための道具だ。

施策を打つ前に地図を描く。打った後に地図を更新する。 その繰り返しが、設計の精度を上げていく。


関連記事

  • [※1] 【Will&Nexus 10/49】A部署を助けたら、B部署が倒れた。
  • [※2] 【Will&Nexus 20/49】100の課題を解くな。1つだけ倒せ。
Will&Nexus
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • 【Will&Nexus 23/49】「自分でやった方が早い」は、最も高くつく判断だ。
  • 【Will&Nexus 25/49】「何をやるか」は合っていた。「いつやるか」が間違っていた。

この記事を書いた人

Keisuke Ishinoのアバター Keisuke Ishino

石野 敬祐(Keisuke Ishino)
経営と人事の「かかりつけ医」/ Will&Nexus 代表

外資系コンサルからキャリアをスタートし、IT・業務改革コンサル、人事・組織コンサル、事業会社の人事責任者を経て独立。組織の問題のほとんどは領域の境界線にある——その確信から、経営・人事・業務・ITを横断しながら「センターピン(本当に倒すべき一手)」を見極める仕事をしている。

視界を失いかけた経験、長い介護の日々、自分のとらわれへの気づき——そうした経験が、見立ての精度と、誠実に関わるという姿勢をつくってきた。

趣味は一つに絞れない。歌、写真、ゲーム、麻雀、ボクササイズ……その時々の興味に引っ張られて、何がメインかは常に変わる。飽き性というより、好奇心が次の扉を先に開けてしまうタイプらしい。どんな領域でも「なぜこれはこう機能するのか」と考えてしまう癖は、仕事と地続きだと思っている。

関連記事

  • 【Will&Nexus 49/49】明日、構造を一つだけ、書き換えてみよう。
    2026-02-18
  • 【Will&Nexus 48/49】「幸せだった」と書き残した父のメモ。
    2026-02-18
  • 【Will&Nexus 46/49】「完成形」を目指す組織は、必ず老いる。
    2026-02-18
  • 【Will&Nexus 47/49】まっすぐ来たつもりはない。でも、無駄な道はなかった。
    2026-02-18
  • 【Will&Nexus 44/49】仕組みは8割で止める。残り2割が、チームを動かす。
    2026-02-18
  • 【Will&Nexus 45/49】「何でも言っていいよ」が機能しない理由。
    2026-02-18
  • 【Will&Nexus 43/49】肩書きが全部なくなった日、残ったのは何だったか。
    2026-02-18
  • 【Will&Nexus 41/49】「いなくなったら回らない」は、褒め言葉じゃない。
    2026-02-18

最近の投稿

  • 【Will&Nexus 49/49】明日、構造を一つだけ、書き換えてみよう。
  • 【Will&Nexus 48/49】「幸せだった」と書き残した父のメモ。
  • 【Will&Nexus 47/49】まっすぐ来たつもりはない。でも、無駄な道はなかった。
  • 【Will&Nexus 46/49】「完成形」を目指す組織は、必ず老いる。
  • 【Will&Nexus 45/49】「何でも言っていいよ」が機能しない理由。

最近のコメント

表示できるコメントはありません。

アーカイブ

  • 2026年2月
  • 2024年7月

カテゴリー

  • Blog
  • Will&Nexus
  1. ホーム
  2. Will&Nexus
  3. 【Will&Nexus 24/49】良かれと思った一手が、別の場所で火を吹く。
※ カスタマイザーの「SNS設定」が空です。
  • プライバシーポリシー

© Keisuke Ishino

  • メニュー
  • 検索
  • トップへ
目次